2013年8月13日 星期二

所蔵者・林文雄のメッセージ



人は晩年になると、前を向いても、後ろを振り返っても、少々茫然としてしまうものです。過ぎ去ったものは、どんなに素敵でも終わったことでしかなく、未来がどんなに輝かしくとも、体力が及びそうにありません。人生における夕暮れのような地点に立ってみれば、前を向くか後ろを向くかは重要でなくなり、大切なのは、「今、私がまだやりたいことは何であるのか」ということになるでしょう。私がやりたいこと、それは自分のコレクションを人々と共有することです。



私の石のコレクションは多数に上り、歴史も短くありません。最初はただ好きというだけだったものが、後になって、石の質感には、素朴さや穏やかさ、温かさ、さらには覇気など、私という人間の個性が映し出されていることが次第にわかってきました。お目の鋭い方ならば、私のコレクションの形や表情から、これらの特徴を見出されることでしょう。



私が築いた石の楽園は、私の心の中の風景を映し出しています。本園へいらっしゃるということは、実は私の心の世界をお訪ねになっているということなのです。温厚な小さい獅子、威風堂々とした神獣、穏やかに黙する達磨、慈しみに満ちた荘厳な仏像、さらに園林の中にいる見えそうで見えない動物たちも、実は全部、この私なのです。もし初めて見た時の共鳴感がなければ、それらはこの園に来ることはなかったでしょう。私は人生後半の気力と時間を使って石を集め、きれいに並べ、石たちに皆様を歓迎させるような空間を作り上げました。



物には魂があり、人には情があります。物は姿や雅趣、境地や品格を持ってやってくるので、私は心を込めて取り扱うことでそれに応えます。草山玉溪園は、驚天動地とまではいかなくとも、人々の心を潤すことができたらと願っています。一筋の穏やかな道を作って、人々が歴史に目を向け、昔を懐かしく振り返ったり、さらには、鳥や虫の鳴き声にじっと耳を傾け、心を静めていただくことができたら、それでもう功徳円満だといえるでしょう。


私と私の文物たちは、ここで皆様のお越しをお待ちしています。

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